ヤマイの反省の話題

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ヤマイの反省の話題

エロ漫画家の苦悩と反省のおはなし

忘れないうちに、画材の話でも 消しゴムの巻

画材

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きごろ実写映画化された『バクマン』を僕は全巻は読んでいないのですが、知っている範囲ではあの作品に登場する漫画家の多くが完全アナログ環境で漫画を描いています。漫画を描いている姿というのを読者に分かりやすく見せようと思った時には、パソコンの前でこしょこしょやっている姿よりもそっちの方が圧倒的に説得力があるし余計な説明も不要でしょうから、そういう演出上の都合であえてそのように描いているという側面もあるのだとは思いますが、NHK教育テレビで放送していた『浦沢直樹の漫勉』などを見ていると、どうやら現実に第一線で活躍しておられる諸先生方ではアナログな手法のみで原稿を完成させている人が多数派のようです。

  僕は下描きからペン入れまでは手作業ですがそれでもペン入れに際してはトレース台という便利な道具に頼ります。『漫勉』に登場するような作家さんの中にはそれすら使わず昔ながらの原稿用紙に直描きした下描きにペン入れをするやり方で描いていく人が少なからずいます。僕も昔はそうしておりましたが一度トレース台を使ってしまうとあのやり方にはもうはおっかなくて戻れません。描き直しのきかない一発勝負ですし、あの誰にとっても難しい、向かって左斜めから見た人の顔をトレース台に頼らずちゃんと描く自信ももはや持ちあわせていません。

 こういう技術的な面の他にトレース台には時間短縮というメリットがあります。僕のような不人気作家は当然アシスタントを使う金銭的余裕も時間的必然性もなく、全ての作業を自ら行うわけですが、原稿用紙に直に下描きをしているとペン入れの後これを消しゴムで消す作業が待っています。これが結構時間がかかるしなかなかしんどい作業なのです。トレース台を導入してなにより嬉しかったのはこの下描き消しから解放された事でした。

 それまでは消しゴムの消費量も結構なものでしたし、銘柄にもちょっとばかりこだわってみたりもしたものです。そんな消しゴムについて覚えている事を少しばかり書いていこうと思います。

 

しゴムと漫画といえば『バクマン』などでもお馴染みの消しカスを払う羽箒を漫画家のアイテムとして思い浮かべる人も意外と多いのではないかと思いますが僕は自分でもなぜか分からないのですが昔からあれを買おうという気が全く起こらず、これまで一度も手元に置いたことがありません。なんででしょうかね。小学校のまんがクラブでいけ好かない奴が使ってたせいかな。

 漫画を描くようになってしばらくの間自分がどうやって消しカスを処理していたのかは覚えていませんがある時期から「消しカスがまとまる」タイプの消しゴムを好んで使うようになりました。その当時には既にこのタイプの消しゴムは複数のメーカーから発売されていまして、以下の3つのメーカーの製品からその時店頭で手に入るものを買っておりました。

 

 

 

 

 

プラス 消しゴム AIR-IN エアイン ダストフリー 19g ER-100AM 36-405

プラス 消しゴム AIR-IN エアイン ダストフリー 19g ER-100AM 36-405

 

  時期的な要因なのか地理的な理由もあるのかは分かりませんが僕が下描きを原稿用紙に直描きしていた頃はモノのノンダストが一番入手しやすかったでしょうか。この中ではシードのノンダストが(きちんと検証したわけではなくあくまで僕の個人的感想ですが)若干柔らかい印象がありましたが、値段も大きさも使用感もそれ程大きな違いはありませんでした。この三つの中ではプラスのダストフリーが一番好きでしたがそんなわけですから機能的な理由ではなく純粋な好みでした。僕の周辺でダストフリーを扱っている店が少なかったので僕の中でレア感があったのでしょう。

 

とまるタイプの消しゴムの消しカスがどんなものだったか、思い出すために久しぶりに原稿用紙に直に下描きをしてペンを入れの後、消しゴムをかけてみました。

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 普通の消しゴムと比べると消す時の感触は若干抵抗が大きいような気もしますが不快に感じるほどではありません。こんな感じで売り文句にたがわず消しカスが指でつまんで捨てられるくらいの大きめの塊になってくれます。初めはそのままゴミ箱に直行していたのですが僕に限らずそれでは面白くないなと思ってしまう性格の持ち主は一定数いるのではないでしょうか。

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 と、いうわけで溜め込んでみました。背後のマグカップにもすでに結構な量が溜まっておりますが、これは普通の消しゴムのかすです。

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 ふかふかで結構いい感触です。ちゃんとした袋に詰めたらクッションにでもできそうです。ここまでに何年くらいかかったか、正確な所は覚えていませんがトレース台導入以前は二、三年でこの半分くらい消しカスを作っていたと思います。

 

レース台を導入してそれまでに備蓄していたまとまるタイプの消しゴムを使いきってからはさほど消しゴムにはこだわらなくなり、その都度適当に選んで購入するようになりましたが、久しぶりにまとまるタイプを使ってみて大きな消しカスを見ていると何だか嬉しくなってきました。あらためて文具店で意識して探してみると選択肢も豊富になっているようです。

 道具、それも消しゴムとなるとそんなものへのこだわりは描いているものと何の関係もないのですが、それでも自分なりに少しでも考えて選んだものを使うというのは同じ作業でも何だかより楽しいような気がしますね。それが描くものに良い影響を与えてくれたらと願う次第です。