ヤマイの反省の話題

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エロ漫画家の苦悩と反省のおはなし

自己紹介に代えて、あなたが読んだ事もない漫画のあとがき その3

 自己紹介というのは果たしてこんなふうに3回も行うべきものなのか、どんだけナルシストなのだと我ながら呆れないでもないですが、今回が最後ですのでお付き合い頂けると嬉しいです。

 

 今回は前回紹介させて頂いた『学園セックスガーデン』と同時リリースされた『お姉さんだって暴走したい』について色々当時を思い起こしつつ書いていきたいと思います。こちらもコアマガジン様よりリリースされ、現在電子書籍配信サービス各社にて配信中のウェブ単行本であります。勿論これもエロ漫画ですので前回と同様リンク貼りはほんとはしたいと思いつつ自粛させて頂きます。

 

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    今回も疑わしきは修正を入れる方向で処理いたしましたよ。

 本作はタイトルが示すように年上女性ものを中心にその他雑多なジャンルのお話をまとめております。全て「漫画ばんがいち」が初出であります。

『僕はあのひとの…』

 表紙イラストのおねえさんが登場するお話です。

 僕は現在ペン入れまでをアナログで行い、パソコンに取り込んで最終的な仕上げを行っておりますが、この作品はデジタル移行前の全てアナログ作業で仕上げた最後の作品です。

 オフィスものなんですが僕は会社づとめの経験がないので描写にリアリティが欠ける点はどうにもいかんともしがたいところですが、よく言われる「体の相性」ってどんなものなんだろう?というテーマを扱うには登場人物がある程度大人な方が都合が良かろうという辺りでお許し頂きたいところです。

 

『甘えさせん坊なとなりのお姉さんが今日はなんだか暴走モードです』

 ちょっと前までのラノベ界隈のタイトルの付け方を意識しましたがラノベのように粋な略称を考えていない所が何とも残念なポイントです。もうとにかくただただ甘々なお話を描きたいという思いで作ったものですが、それについてはある程度果たせたかと思います。もうひとつ、浴室が主な舞台という事で泡まみれのヌルヌルした体の描写という、技術的な課題に関してはまだまだ研鑽の余地ありといったところです。

 

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『見上げてた初恋は』

 見るからにおねえさんという風情の大人っぽい女性から「おにいちゃん」と呼ばれるシチュエーションというのをまず思いつきまして、そういう状況を作れるお話を…という道筋で出来上がっていきました。娼婦系というかビッチ系といいますか、経験人数が多そうな女性との純愛というのは昔から折りに触れ描きたくなるテーマであります。

 

『あの頃より近くに』

 叔母と甥っ子のお話です。こういう組み合わせを好む読者さんは多くの場合熟女好きでいらっしゃるわけですが、この作品はそういう方の期待は裏切ってしまう内容です。年下の男の子に翻弄されちゃうちょっとかわいい年増みたいなのを描写してみたくて考えたお話です。

 

『コラージュ・ガール』

 発想のパターンは上記の『見上げてた初恋は』とほぼ同じです。見るからにビッチっぽい女性から「あたしの処女あげる♡」と言われるなどというありえない状況をまず思いつき、それをいかにお話として成り立たせるか、というテーマにいささかの無理もしつつ取り組んでみました。

 

『妖精、舞い降りた』

 随分昔ですが、京都の街をブラブラと歩いていたら学生と思しき外国人観光客の一団に遭遇したのです。その一団はひとつの大きなグループとそれ以外みたいな構成になっていて、そのグループの方の中心にいたのは金髪の見るからに華やかな雰囲気の女の子でした。確かに人気者になりそうなのは分かりましたが僕にはその女の子よりもそのグループから少し外れた所にいた、ブルネットのおとなしそうな女の子の方が魅力的に感じられました。そういう感じ方が単に個人的な好みなのか、それとも民族的な嗜好みたいなものが働いていたのかは自分では何とも判別がつきませんでしたが、とりあえずその時に感じたものを漫画にしてみました。

f:id:yondokoro:20150917190909j:plain別にその時の女の子がモデルというわけではありません。

 

『おにいちゃんの恋人』

 いかようにもふくらませる事が可能な大きなひとネタがあって、そのひとつの展開例といったところです。機会があれば別の展開例も考えてみたいところです。元々は別の出版社で提案して没になったSFっぽいお話のアイディアが原型ですが、ある時ふと、「これ、別にSFである必要なくね?」と思い直してこういう形になりました。

 

『ある日、妹を想う』

 エロ漫画の世界ではこういう近親ものというのは常に一定の需要がございます。だからもし皆さんがエロ漫画家と接する機会があった時には、多くの場合作家は主に人気取りのためにこういうジャンルを描くのであって、必ずしも作家の願望を反映しているのではないのだという前提で接して頂けるとありがたいです。実態は脇に置いといて。

 それはさておきこのジャンルではこういう関係の背徳感とか後ろめたさを前面に押し出した作品とそういった葛藤は控えめで割とあっさり垣根を超えてしまう作品とがありますが、前世紀末くらいには既に後者の方が主流になっていた印象があります。

 僕はこの作品以前に2本ほどこのテーマで描いておりましたがいずれもどちらかというと背徳系のお話でした。だから今作では当初あっけらかんと致してしまうお話にしたいと思ったのですが、度重なるネームの修正を経ていつのまにか葛藤路線になっていきました。それくらいネームの段階で苦労した覚えがある作品です。

 

『黒髪の憂いたなびく寒空に』

 この作品において僕は重大な作画上のミスを犯しております。場面設定は冬で、黒髪ロングの女の子が登場するのですが僕はこともあろうに直接彼女の首にマフラーを巻いてしまったのです。本来は髪の毛ごとマフラーに巻き込んで、マフラーの上で髪がぽわんと膨らんでいるように描写せねばならないのです。是非ものなのです。

 本作が雑誌に掲載された後になってあの「ぽわん」の魅力を知った僕は激しく後悔したので、チャンスを頂ければあれだけはなんとしても修正したいところです。

 

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       つまりこれを        こうしたいというわけです。

 

『僕らの魔法』

 昔から目指し、そして果たせずにいる事に漫画の中で「よくできた低予算映画感」を表現する、というのがあります。画面の中に作りこまれたものが極端に少なくてスカスカの映像なんだけど演出やカメラワークでそれが妙に魅力的なものになっている、あの感じを漫画で出せないものかとずっと思っているんです。この作品は魔法使いの女の子が登場するお話なんですが、ゴージャズな小道具や大仰な演出といったものを使わず、淡々とでも印象的な魔法を表現できないものかとがんばってみたのですが、成功したかというとうーむ…といったところです。

 

 今後新しい作品集が出たとかいう事があれば何か書かせて頂く事もあるかと思いますが、自分の作品についてくどくど書いていくのはひとまず終わりです。ブログを始めようと思った時にここまでの構想はあったのですが、その後の事は何も考えていなかったので次からが本当のスタートいったところでしょうか。さて何を書きましょうかね。

 ひとまずこんな所で。