フリーのペイントソフト「Krita」でお絵描きの続き
前々回のエントリーにてフリーのペイントソフトの中では相当機能が充実している「Krita」について書かせて頂きました。あの後もKritaで色々描いてみております。
今回は集中線を引くための定規ツールの使い方を覚えたのでそれを使って漫画を描いてみました。他の定規の使い方も学んだ上でいずれまたこちらで紹介させて頂こうと思います。
僕としてはこいつでどこまでのことができるのか見極めてみたいと思っておりますのでこれをご覧のどなたか、イラストのお仕事なぞ頂けないでしょうか。Kritaを使って誠心誠意描かせて頂きますのでどうかひとつお願い致します。
上記エントリーでも書きましたように、僕はMacとLinux(これを書いている現在でXubuntu14.04LTSです)を入れたパソコン(さるお店のBTOのOS無しモデルを購入してインストールしたものです)を持っておりまして、前者をお絵描きなど仕事用、後者を普段使い用と役割分担しているのですがKritaの導入によってLinuxの方もお絵かき用パソコンとしての 役割が期待できるような気がしてきていたのでした。そうなるとこちらでもより快適な作業環境が欲しくなってきます。で、真っ先に思いついたのが作業上必要な操作を右手で作業を継続しつつ行える左手用コントローラーの導入でした。
Macで漫画やイラスト制作の主力となっているセルシスのClipStudioPaint略称クリスタ用に同社の左手用コントローラ、タブメイトコントローラーを使っておりまして、これが僕としてはなかなかに快適なものですから同様のことをLinuxでもできるようにしたいと思ったわけです。ただタブメイトコントローラーはソフトメーカーの純正品ですから購入時点で既に必要なショートカットがあらかた登録されていますし、設定の変更も比較的容易ですがKritaではそんなわけにはいきません。ゲーム用の左手コントローラがいくつかのメーカーから発売されていましてこれをイラスト制作に使用するというのは広く行われています。
これなどが有名ですね。「G13 イラスト」などで検索すれば丁寧な解説が沢山出てきます。Linuxを使っていて度々問題になるのはこうしたハードとの相性ですが近年はかなり色々なものがLinuxでも使えるようになってきました。ロジクール製品は割とLinuxと相性の良い物が多い印象があるのでこれもあるいは使えるかもしれませんがそれは今後のお楽しみということにして、今回は既に手近にあるものでお手軽に済ませることにしました。
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ちょっとしたシューティングゲームをやるために購入したものです。正確な金額は記憶していませんがこういう形状のゲームパッドの中で店頭で一番安かった物を選んで買ったのは覚えています。接続したところちゃんと認識され、「joystick」というソフトをインストールすることで問題なくゲームに使用できました。アマゾンのレビューでは総じて評価は低く、特に十字キーの精度の悪さを問題視する意見が多いようですが僕がやる程度のゲームでは特に不都合は感じられませんでした。
ロジクールのG13のようなハードですとユーザーが自分で動作の割り当てをすることが前提となっていますからそのためのソフトも同梱されているわけですがゲームパッドだとそういうわけにもいかないので動作割り当て用のソフトも別に用意してやらねばなりません。Linuxではそういうのは何かあるのだろうかと探したところ、どうやら
「antimicro」というソフトがいいだろうとことになりまして、早速インストールしてみました。
ここで少々脱線になりますがLinuxにおけるソフトの入手について。僕が使っているXubuntuのようなUbuntuの系列では通常「Ubuntuソフトウェアセンター」という管理ソフトからインストールします。(最新の16.04LTSからは変わったようですが僕はまだ触ったことがないものでここでは触れないことにします)前述のゲームパッドをLinux上でゲームパッドたらしめるためのソフト「joystick」もこちらから入手したものです。
ところが動作割り当てソフトの「antimicro」はこちらでは扱っていません。冒頭で紹介した過去記事の繰り返しになりますが、そちらでKritaの最新版を入手したのと同じ手続きが必要になります。Ubuntuが公式には扱っていないソフトの供給先を利用できるようにするわけですね。こちらも前回軽く触れたように「antimicro ppa」で検索して、出てきた記事の多くで紹介されている3行のコマンドをコピペして端末で実行してやるのが一番手っ取り早いやり方です。手っ取り早い上にスマートで「俺、コンピュータ操作してる」という満足感も得られます。このやり方が一番おすすめなのであえてそれ以外のスマート感に欠けるやり方をご紹介する意義は薄いような気がしますが、以下僕が日頃やっているやり方なので一応書かせて頂きます。
まずこちらのサイトに行きまして、「Adding this PPA to your system」という項目にある太字になっているところをコピーします。「ppa:〜」ってやつですね。
そしてSynapticパッケージマネージャというソフトを起動し、「設定」メニューから「リポジトリ」を選択して出てきたウインドウの「他のソフトウェア」タブを開きます。「追加」ボタンをクリックするとこんなのが出てきます。
ここに先ほどコピーしたものをペーストしてこのウインドウを閉じますと自動的に再読み込みが行われてantimicroを提供しているリポジトリが利用できるようになるはずです。あとはソフト名で検索してインストールすれば完了です。
Synapticパッケージマネージャは以前は標準のソフトでしたが今では自分でインストールしてやる必要があります。こちらはソフトウェアセンターから簡単に入手可能です。また、ソフトウェアセンターの「編集」メニューから「ソフトウェアソース」を選択しても上に挙げたものと同じ画面が出てきますので多分同じようにできるのではないかと思います。僕は試したことはないのでここでは一応おすすめしないことにします。
ご覧頂いた通り「初心者でも安心」感が漂っているやり方ですし、コマンド入力に比べると回りくどいのはどうにも否めませんが、ともあれコマンドが未だにちょっと怖い僕でもどうにかantimicroをインストール出来ました。
さて本題に戻ります。早速antimicroを試してみます。
ちゃんとゲームパッドを認識してくれたのでひと安心です。このソフトを検討するにあたり参照したサイトでは画面は全て英語表示だったのですが、最新のバージョンでは日本語化されていてこちらも安心です。
操作は至ってシンプル、設定したいボタンをクリックするとキーボードが表示された設定画面が出てきますので、割り当てたいキーをクリックしてやるだけです。「ctrl+〜」といったような複数のキーを押す動作を割り当てたい時には設定画面向かって左下隅の「詳細設定」をクリックしてマクロを組むための画面を表示させ、設定します。
設定が済んだら「保存」をクリックして適当な保存先を指定してやれば完了です。設定した動作を有効にするためにはantimicroを出しっぱなしにしている必要があります。
皆さんのご参考になるかどうか分かりませんが、僕がKritaで使うための設定は上の画像の通りです。何回か実際に使用して手直しを重ねた結果こういった形に落ち着きました。十字キーの上下はブラシ径の調節、左右はキャンバスの回転。ボタン1は新規レイヤー作成、2はPhotoshopなどでいうところのレイヤーフォルダ、Kritaではグループレイヤーの作成。3が画面の鏡像反転。4は自動選択ツール、あとは見ればお分かり頂けるでしょうか。キャンバスの回転や自動選択ツールはショートカットの設定からいじった上で割り当てています。キャンバスの拡大縮小は一度は設定してみたのですが実際使用してみるとペンタブのホイールや「ctrl+ペン軸ボタン」の方が使用頻度が高かったので変更しています。キャンバスの回転も「shift+ペン軸ボタン」の方が使いやすくてそちらを多用しておりますし、ここへきて十字キーの精度の悪さが問題になりブラシ径を変更しようとしたらいきなりキャンバスが回転したりといったことが度々ありますので十字キーの左右もいずれ設定し直そうと思っています。
あと、ゲームパッド本体はそのまま卓上に置くと画面に向かって傾斜して使いづらいので、お菓子が入っていた5センチ四方くらいのしっかりとした作りの紙の箱に立てかけるようにして使っています。
ここまでKritaについての続きと言いつつ、Krita自体には直接触れず周辺のことばかり書いてしまいました。まだ使いこなせていない機能で面白そうなものがいくつかあるのでそちらを試してまた何か書ければと思います。