フリーのペイントソフト「Mypaint」はそこそこの機能でなかなか楽しい
いい時代になったもので、今では数千円でそこそこ高性能のペイントソフトを入手できるようになりました。そういう素敵な環境下であえて無料のペイントソフトを使おうなんて人間は余程の貧乏人か偏屈かと勘ぐられるのもいたしかたないわけですが、とはいうものの無料のソフトの中にはこのブログで何回かご紹介したKritaのような有償ソフトに引けを取らない性能の物もありますのでお金を沢山持っている皆さんも一度は試して頂きたいものです。
というわけで今回はフリーでそこそこの性能でなかなか楽しい「Mypaint」について思いつくまま書いていきます。
前々から薄ぼんやりとやろうと思って、なかなか一歩踏み出せなかったツイッターを最近始めてみました。このブログにもフォローして下さいボタンなど設置してみましたので何卒よろしくお願いしたい次第です。で、このツイッターにちょっとした落描きを投稿していきたいと思っていまして、僕は2台のパソコンをお絵描き用と普段使い用と使い分けているのですが普段使い用の方で使用できる、多少機能が制限されていてもいいから軽快に動作してくれるソフトが欲しいと思ったのです。
普段使い用パソコンはLinux Mint 17.2 Xfceを入れております。Linuxを選んだ時点で有償のソフトは選択肢から外れてしまいます。Wineを使うという手もありますが僕のイメージではあれはほぼギャンブルのようなものだし、ここはLinux向けに提供されているフリーのソフトからさがす方が無難、というかむしろそちらの方が楽しそう、となったわけです。
こちらで度々紹介したKritaはとても高性能ですが軽快とは言いがたいし、色々できてしまうだけに描き始めたら落描きで終わらなくなってしまうような気がします。そこで目をつけたのが以前インストールしてそのまま放置していた「Mypaint」であります。
MypaintはLinuxの標準のソフトウェア管理ソフトからも入手可能ですがその場合だと若干古めのバージョンになってしまうはずです。そこでGetdebというリポジトリを導入してそこから最新版を入手します。
Getodebを利用できるようにする方法はLinux Mintだととっても簡単、「ソフトウェアソース」を起動して「追加リポジトリ」をクリック、「Getdeb」にチェックを入れてやるだけです。
これで管理ソフトから最新版をインストールできるようになっているはずです。もしくは上記の操作の後Getdebのサイト
GetDeb.net V2 - Software for Ubuntu Linux - Updates for Ubuntu 16.10
へ行きそこからMypaintを探してインストールします。
これがMypaintのインターフェイスです。ざっと見て頂いただけでも最低限の機能は備わっているのが分かるかと思います。
勿論レイヤーが使えますし、レイヤーにも必要な機能は概ね揃っています。
選択範囲の機能はないので僕が普段描いているような最初にベタッと均一に塗りつぶしてから陰影をつけていくといったアニメっぽい塗り方にはいくぶん不向きでしょうか。元々そういう塗り方は想定していないということでしょう。一方アーティスティックな、いわゆる厚塗りというやつをするのにはかなり楽しそうです。ブラシの種類がとにかく豊富なんです。標準でもかなり充実しているほか、ネットから追加のブラシを入手可能です。僕も面白がってついつい沢山追加してしまいました。
赤線で囲ったタブ、これらすべてブラシセットであります。ブラシを入手するには「ブラシ」メニューから「追加のブラシを入手」を選択するとサイトが開きます。またDaviantArtあたりで探しても色々見つけることができます。
ダウンロードしたブラシは解凍はしないで「ブラシ」メニューから「ブラシをインポート」をクリックしてファイルを指定してやれば導入することができます。
色々描き始めてみましょう。僕がこのソフトが落描きに最適なのではないかと思った一番の理由であるところのMypaintの最大の特徴、それは定形のキャンバスサイズというものが存在しないというところです。フレームを指定してサイズを確定するまでは基本どこまでも描き広げることができます。何も考えずにいきあたりばったり描くのには丁度いいのではないでしょうか。
というわけで何も考えずにさっと描いてみたのがこちらなんですが、選択範囲が使えない中で普段描いているような感じにするにはどうしたものか分かりかねてる感じが濃厚な仕上がりになっております。線で閉じられた内側を塗りつぶすツールはあるのですがあれは選択範囲に比べると少し気を使いますし、線画に直接色を付けるというのも後々の作業効率など考えるとあまり気が進まないものです。
そこで次に描いた絵では線画を完成させたところでそのレイヤーを複製、下段の線画レイヤーに着色していくという苦肉の策を取りました。
ツイッターでも不適切画像扱いされなかったからこちらで全年齢に向けてお見せしても多分大丈夫でしょう。上の絵に比べると多少使いこなしてる感が強まったと自分では思うのですがいかがなものでしょうか。
実際に描いてみてブラシの描き味は良好でブラシのチョイスや設定の変更次第で更に気持ちよく描けそうな感触を得ました。
またこのソフトの標準のファイル形式OpenrasterはそのままKritaやGimpで開くこともできますので、Mypaintでは及ばない部分にここから更に手を加えていくなんてことも可能かと思います。
優秀な有償ソフトを自由に使える環境がある人があえて手を出す意味もないのかもしれませんが、本当にお手軽感のあるソフトですし色々な変態ブラシを試して「なんじゃこりゃ!」と言うだけでも結構暇つぶしになりますので一度触ってみられてはいかがでしょう。
といったところでひとまずこんな所で。