ある物語のジャンルに挑戦しようと思っただけのおはなし
まずは宣伝から。2月10日から配信開始となっております『WEB版コミック激ヤバ!Vol.95』に山井逆太郎名義の16ページの作品『西尾小夜子怒りの二次不等式』を掲載して頂いております。今回は高身長女子と年下の男の子が登場するお話となっております。例によって成人向け作品ですのでこちらにリンクを貼ることは自粛いたしますので「山井逆太郎 激ヤバ! 西尾小夜子怒りの二次不等式」などで是非とも検索の上お探し頂ければ幸いであります。
以下おまけの文章となります。今更僕が講釈たれるようなことでもないですがここからの話題の前提ですので一応書いておきますが、皆さんは「おねショタ」と呼ばれるジャンルはご存知でしょうか。要は読んで字のごとく、おねえさんとショタ、つまり少年とのカップリングを題材とする表現ジャンルですね。エロ、非エロ問わず決して多数派ではないものの一定の根強いファンが存在します。
上で紹介した拙作『西尾小夜子怒りの二次不等式』も実は多少このジャンルを意識した作品なのですがおおっぴらにそうであるとは主張しにくいものにもなっております。
というのもこういうニッチなジャンルにありがちなことですがおねショタにはファンの間にかなり厳密な成立要件が存在していたりします。例えば登場人物の年齢はそういう人達にとってかなり重要な情報でしょう。少年の方は何歳まで、そしておねえさんは少年より最低何歳以上離れていなければならないか、きっと厳格な数字が存在するに違いありません。今回の僕の漫画では登場人物はCもしくはKの一年生と三年生であります。これをおねショタ」と称するのはアウトというものでしょう。僕としては学校生活における一年生と三年生の差というのは実社会における実年齢の差以上に大きなものがあり、従ってたったふたつしか離れていなくても「おねえさんと少年」と言っていいような関係性が成り立つのではと思ったわけですがまあ通らないでしょうね。
また特にエロになりますとそっち方面の展開に強いこだわりを持つ人々がいたりするものです。一般向けブログですので詳述は避けますが、「おねショタ 鉄の掟」で検索して頂くと見つかるかと思います。漫画を描く側としてその鉄の掟とやらへの順守義務などはありませんし、時にはそれに背く勇気も必要でしょうがそれを大切に思う人達がいるということは胸に留めておいた方がいいでしょう。
さて、ここで自分の好きなジャンルに「鉄の掟」のような厳格さを求める人々の心理について鋭い分析をして本項を締めくくることができたらさぞや格好良いのでしょうが、どうもそれはできそうにありません。こういう作品を描こうと思い立つくらいですから少なくとも心情的には分析をされる側に立っているつもりですが、結局出来上がったのはそのジャンルの「もどき」だったことを思うと分析をする側としてもされる側としても少々中途半端でありましょうからして。
あの、でも勿論ジャンルとして不徹底だったからといって作品として努力を怠ったということは全くなく、むしろかなり頑張ったというのは強調しておきたいので読んで頂けるととても嬉しいです。
宣伝で締めくくるくらいが僕には丁度いいですね。