ヤマイの反省の話題

ヤマイの反省の話題

エロ漫画家の苦悩と反省のおはなし

町の本屋さんの絶滅を嘆くふりだけする偽善者な私

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う随分前から日本中で起こっている事ですが、僕の住んでいる町でも気がつけばいわゆる町の本屋さんってやつがほとんど見当たらなくなりました。小学校の帰りに立ち寄っては長時間立ち読みをして店主のおばさんから怒られていたあの店も、少し前にこのブログで取り上げた『猟奇王』を買ったあの店も、大学生の頃に毎月『月刊漫画ガロ』を購入していたら頼みもしないのに『ガロ曼荼羅』(TBSブリタニカ)を入荷しておすすめしてくれたあの店も、僕は神戸在住なんですがあの阪神・淡路大震災で結構ボロいビルに入っていたにも関わらず奇跡的に倒壊を免れ、かなり早い時期に営業再開してくれたあの店も、駅のすぐ目の前にあるという以外は品揃えなどこれといった特徴もなく特に思い出のないあの店も、その他今思い出せる店は悉くなくなってしまいました。

  普段の生活でその事で何か困るかというと実のところ全く困りません。これまた日本中でおなじみの出来事でしょうが最寄り駅のビルの中に某有名大型書店ができまして、広くて品揃えは豊富だし、椅子が置いてあって長時間居座っても大丈夫だし、エアコンもきいていて快適だしと何の不満もないわけです。前述の町の本屋さんのような、頼みもしないのにこっちの好きそうな本をすすめてくれるなんてのも某大手ネット通販がやってくれますしね。

 

当ならここで町の本屋さん文化の衰退を嘆いたり経営を心配したり、独自路線で頑張っている中小書店さんを紹介して応援したりするとかっこいいのですが、既に焼け野原になってしまった後なので何も書きようがないし、今思い出しましたが僕の家から電車でひと駅の所に小さな児童書専門店があって、そこは頑張っているみたいですけどそのお店には全く馴染みがないしでそういう事は何も書けないんですよね。

 そういう問題に真面目に警鐘を鳴らしている人が予見するような様々な弊害がいつか僕の身にも降りかかってくるのかもしれませんが今の所はそういう気配もありませんもので。

 

、ここまでは一般的な本のお話。そういうかっこいい出版文化の話とは関係なくもっと下世話な事情で町の本屋さんの絶滅を嘆かわしく思う理由は実は僕にもあったりします。僕のプロフィールを見ればだいたい予想がつくかとは思いますがそう、

       大型書店にはエロ漫画が置かれていないのです!!

正確には成年コミックマークが付いていない、ソフトエロ系の漫画単行本は扱われているんですけどそれはさておくとして。

 いやまあむしろ置いてあったとしても買いにくいですけどね。だってほら、そういう大手書店のレジって若い女性も多く配置されてるじゃないですか。

 真面目にかっこよく書店文化の衰退を嘆いておられる人からしたら中小零細書店がエロ系の本を多く取り扱っていて買いやすい雰囲気になっている事が既に文化の衰退を象徴する現象なのでしょうし、エロ漫画が置かれている社会的立場の危うさというものを考えると、電車に乗って繁華街のオタク店舗エリアにあるそっち系の大型書店の18禁コーナーの暖簾をくぐらないと買えないという今の状況くらい隔離されていた方がこちらとしても安心できるという側面もあるといえばあるのです。

 冒頭で上げた記憶に残る本屋さんで、僕は普通の本もエロ漫画も買わせて頂きました。それは分けて考えることの出来ない大切な記憶ではありますが、いい思い出のように語って「それに比べて今は…」なんて説教口調になったりしてはいけない部類のものなのでしょう。

 

まり僕は何が言いたかったんだろう。あれですかね、本当は僕の個人的な都合だけの「町の本屋さんがなくなって不便になった話」を書こうとしたけど何だかそれってかっこ悪いから文化っぽい香りづけもしておきましょうかねっていう、そんな所でしょうかね。僕の都合という事だけで言えばエロ漫画の単行本はともかく、せめて雑誌くらいは近所で買えるようになってほしいと思っておりまして、本当はそれだけ書いて終わりにするつもりだったんですよ。本屋さんというのは子供の頃から大人になるまで本当に長い期間お世話になる場所ですから思い出も多いし、思い起こしていくと色々な事を考えてしまいますね。