ヤマイの反省の話題

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エロ漫画家の苦悩と反省のおはなし

Linuxで使えるペンタブレットを試す

タブレットについては近年ワコム以外のメーカーの製品も高性能化してデジタルでのお絵描き環境構築も随分選択肢が増えました。僕も現在仕事で使用するタブレットは高性能で且つ比較的安価な海外メーカー製品でしてこの最近の傾向の恩恵を大いに受けております。

 そして趣味のお絵描き、僕の場合はLinuxパソコンでのお絵描きにおいてもやや遅れてワコム以外の新たな選択肢が登場してきました。

以前のお絵描き環境

Linuxで様々なハードを接続して使いたいとなった時に素人では克服困難な壁が多数あったのは昔の話、僕が使い始めた10年ほど前でさえ絵を描くことはそれほど困難ではありませんでした。その頃からワコム製品は接続するだけで使用可能で僕もしばらくIntuos4をLinuxで使っていました。その後主に中国のメーカーから安価で十分実用に耐える製品が多数発売されるようになり、そうなるとそれらを試してみたくなってきましたが、そちらはなかなかつなぐだけでオッケーというわけにはいかないようでした。

 数年ほど前から徐々に僕のようなコマンドもろくすっぽ知らないようなライトなLinuxユーザーでもどうにかなる環境が少しずつ整ってきました。そちらについては以前記事にしているので宜しければ一度ご覧になってみて下さい。

 

yamai-manga.hatenablog.jp XP-PenというメーカーがLinux向けのタブレットドライバの提供を始めたということでそれを試してみたという内容なのですが、ベータ版ということでこれがなかなか難儀な代物でした。ダウンロードしたファイルをタブレットを使いたい時にその都度端末から管理者権限で実行してやらないとドライバが起動しない、そしてドライバを常に画面に出した状態でないとタブレットを使えなかったのです。

 Macなどでタブレットを使うことを思うと不便ではありましたがそれでもちゃんと絵が描けてファンクションキーの設定などもGUIで容易に行えるようになったのは実にありがたいことでした。

 そして現在、より手軽に使えるLinux向けタブレットドライバが複数のメーカーから提供されています。今回はその中で僕が実際に使ってみた中国のメーカーXP-PenとHuionのペンタブレットについて書いていこうと思います。

 

題にはいる前に、ちなみに現在の僕の環境について書いておきますとこの記事を書いている現在、2022年8月にリリースされたLinux Mint 21"Vanessa"Cinnamon版を導入しています。僕の場合Linux MintをメインにUbuntuのLTS(長期サポート版)がリリースされたら一旦そちらに乗り換えて、やがてそれをベースにしたLinux Mintの最新版がでたところでまたそちらに戻るということを繰り返しています。で、たまに面白そうなディストリビューションが目に入ったらそちらを試してみるという感じです。まあ割とありがちなパターンではないでしょうか。Mint以外だとVoyagerとか好きですね。いずれその辺のLinux遍歴のお話なども書ければと思っています。

XP-Pen

こで使用する機種は前回の記事と同じく同社のいわゆる板タブ、Deco03です。

 購入を決めた時点で既に同社の製品としては少し古い世代の製品に位置づけられるものでした。Linuxでありがちなあまり新しすぎるハードには対応してくれないのではないかという不安からの選択でしたが、後述のように現在ではその点は杞憂となっています。

 適度な引っ掛かりのある描きやすい盤面や使いやすく邪魔にならない配置のキーやホイールなどが魅力の機種です。

 まず同社のサイトのドライバダウンロードのページを見て頂ければわかりますが、

www.xp-pen.jp

ほぼ全ての製品でLinux用ドライバが提供されています。今や最新の液タブすらLinuxで使えるわけで実にありがたい事です。しかも今ではアプリとしてインストールする形式になっていまして、その上ログイン時に自動起動してくれますし以前のものと異なり画面に出しっぱなしにしなくても使えるようになっています。

 自分の使っている製品のページに飛び、各自お使いのディストリビューションに対応したパッケージをダウンロードします。僕はLinux MintなのでDebパッケージになります。

 ダウンロードしたDebパッケージをGDebiパッケージインストーラで開いてインストール、起動しますとこんな画面が出てきます。

 そしてパネルにはこのようなアイコンが表示されます。

 このようにボタンやファンクションキーの設定なども他のOS向けのものと変わらない、直感的に操作できるものになっているのがおわかり頂けると思います。

 せっかくなのでKritaでちょっと試し描きです。ペンの反応も良好で問題なく使えます。ちなみに過去にKritaについてもいくつか記事を書いているのでよかったら見て下さいね。

yamai-manga.hatenablog.jp

 

Huion

こで使うHuionのペンタブレットはこちら、InspiroyシリーズのH610ProV2です。

 Macの方で一時期仕事用に使っていましたが液タブ導入に伴いしまい込んでいました。HuionがLinux用ドライバを提供し始めたと最近知ったので現役復帰となった次第です。安価ながらなかなか優秀で初心者にもおすすめできる機種です。

 ダウンロードからインストールまでの手順はXP-Penの時と同じです。同社もほぼすべての製品でLinux向けドライバを提供しています。

 実は本機種については少なくとも僕の環境ではドライバを入れずとも接続しただけで認識され、ただ描くだけならそのまま使用できそうでした。しかしキーの割当やペンの筆圧の設定など細かい操作をするにはやはりドライバは不可欠なようです。

www.huion.com

 こちらが設定画面を表示した状態。こちらも分かりやすい作りになっていると思います。もちろんこれを消しても使えます。

     

 XP-Penと同様パネルにアイコンが表示され、クリックで設定画面を呼び出せます。

 こちらでも試し描きをしてみます。これはMyPaintで描きました。MyPaintについても一度書いたことがあるのでそちらもどうぞよろしく。

yamai-manga.hatenablog.jp

 

Linuxでいずれは…

んな感じでLinuxのお絵描き事情もかなり変化してきまして、アナログ線画を取り込んでパソコン上で仕上げていくのもパソコン上で一から描くのも随分手軽にできるようになってきました。問題はやはりソフトですがこちらも性能向上は著しく、特にKritaなどはフリーなのが申し訳ないような高機能のソフトですのでイラストに関しては鑑賞に耐える作品をLinuxで描くことは十分可能であると思います。

 そうなると次に目指すべきはやはり漫画でしょうか。今使えるGimp、MyPaint、AzPainter、Krita等々を駆使して漫画を描くことは、不可能ではないですし実際試したこともありますがかなり回りくどい操作が必要になることも多いし作業効率他あらゆる点で現行最強のソフト、Clip Studio Paint以下クリスタを捨ててそちらに移行するメリットは全く感じられないのが正直なところです。お遊びとしてはまあ楽しいですけどね。

 一方この記事を書いている現在このクリスタが近々サブスク化するというニュースが大きな話題となっています。年会費か月額を払っていかないと最新版を使えなくなる状況がもうすぐやってくるのです。これを踏まえてLinuxで使えるそこそこの性能の漫画制作ソフトが登場してくれたら、仕事で使うかはともかくとしてかなり嬉しいし、喜んで結構使い倒すと思うだけどなあ、なんてことも考えたりする次第です。

 ひとまずこんなところで。