ヤマイの反省の話題

ヤマイの反省の話題

エロ漫画家の苦悩と反省のおはなし

自分がこれまで描いてきたのは単なる線の集合体でしかなかったのか

 はじめに

が漫画やイラストなどで人の顔など描く際は僕が関心のあるジャンルで主流になっているある程度様式化された描き方を取り入れているわけですが、しばしば他人様の描き方をそのまま丸写しのように採用してしまうことがあります。

 それらは偉大な先人たちが観察と試行錯誤の末にたどり着いた素晴らしい成果物であります。何も考えずそのまま取り入れてもほぼ間違いのない逸品ではありますが、とは言え先人たちがなぜ人の顔をそのように描いているのか、今自分が描いている線は実際の人の顔のどの部分なのか、そういったことを深く考えずにただなぞっているだけだと思いがけず深く悩む羽目に陥ったりするものです。

 今回は人の顔のとある部位についてかなり長期間悩んでいたが最近ようやく答えらしきものに辿り着いたというお話です。

     f:id:yondokoro:20201227171827j:plain

とある部位とは鼻である

に女の子の絵を描く場合、描き方の流行も結構目まぐるしく変化しますし可愛く描くためにはもちろん顔のあらゆる部位について悩みながら描いていますがとりわけ鼻をどう描くかについて長らく迷いの中にありました。鼻をどこにどんなふうに配置しても何だかしっくりこないような気がしていたのです。

     f:id:yondokoro:20201227172211j:plain

「ああでもない、」

     f:id:yondokoro:20201227172457j:plain

「こうでもない、」

       f:id:yondokoro:20201227172602j:plain

「なんか違う気がする」

と、毎回考え込んでしまっていたのです。一枚絵ならともかく漫画でそんなことをしていては心身の健康が保てなくなります。早急に鼻の配置について何らかのルールを設ける必要があると思って他の超絶可愛い女の子の絵を描く方の絵を模写したりしてみましたがどうもなにか掴み取れた気がしません。自分自身に対して次の問を発するまでに結構な時間を浪費してしまいました。

 

「で、俺は鼻のどこを描いていたんだ?」

い直して他の方の絵や今まで自分が描いてきたものを見直してみたわけですが、ここに至って僕は少々まずめな思い違いをしていたのではないかと思い至ったのでした。そもそも大多数の人とは違う鼻のラインを抽出していたようなのです。

f:id:yondokoro:20201227174914j:plain

  図にするとこんな感じになります。用語として適切かどうかは分かりませんが名前をつけてみます。丘陵の頂点になっている所を「稜線」、鼻のシルエットを形成している所を「輪郭線」とします。稜線についてはより一般的な「鼻筋」としてもいいかもしれませんが「〇〇線」という呼び方で統一したかったのでこのようにしました。

    f:id:yondokoro:20201227180258j:plain

 鼻を描く時にこのどちらの線を選んで描くべきかということについてどちらが正解でどちらが不正解ということはなくどちらを選んでも絵を成り立たせることはできるかと思いますが、しかし少なくとも僕が描いているようなタイプの女の子の絵では稜線をチョイスした方が描きやすいようなのです。僕は今まで輪郭線の方を描いており、しかも他の稜線を描いている人の描き方で輪郭線を描いていたっぽいのでした。

 つまり出発点から間違えていたというわけでそれではうまく行くわけがなかったのでした。

 

問題点がわかったところで

れまでの行いを反省し、今後は鼻の稜線を描いて超絶美少女絵師になろう!と決意したのですがこれはこれで難しいことであります。僕がこれまで輪郭線を抽出して鼻を描いてきたのはその方が立体としての鼻を把握しやすいからでした。ところが稜線で鼻を表現しようとすると以下のような壁にぶち当たります。

f:id:yondokoro:20201227181506j:plain

 絵の上手い人というのはちょんと点で鼻を描いただけで立体的な可愛い鼻を感じさせることができるものです。つまり僕はいきなりその境地を目指すためのスタートラインに立たされてしまったのです。そうなると事は鼻の問題だけではすまなくなってきました。顔のすべての部位について、習慣的に先人達がそう描いてきたからというだけで深く考えずに踏襲してきた顔の描き方をなぜみんなはこう描いてきたのか、自分が描いてきたのは他の人が描いているものと同じものなのかといったことを見直していかないとちゃんとした鼻も描けないのではないかと思うようになったのです。

 結局一つの迷いからの脱出はさらなるより深い迷いの入り口への到達でありました。

f:id:yondokoro:20210608143759p:plainf:id:yondokoro:20210608143832p:plain

  今回の気づきをもとにそれ以前に描いた絵を描き直してみるなんてことを何度も繰り返してみたりとか。なんだかドツボにはまり込みつつあるような気もうっすらしてきますが、まあ絵を描くって、そういうことですよね。

 

 ひとまずこんなところで。