ヤマイの反省の話題

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エロ漫画家の苦悩と反省のおはなし

忘れないうちに、画材の話でも 原稿用紙の巻

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んにち真の独創というものが果たしてあり得るのかという問いかけは自分の独創性の無さへの言い訳にしか聞こえないのであまり考えないように心がけてはいますが、とはいえ既に大勢の頭のいい人がたくさんの偉大な業績を残してしまった後の世界に私たちが生きているのもまた事実であります。

  ある日カップラーメンを食べようとしてカップから取り出した液体スープの脂分が固まっていていかにも絞り出しにくそうな様子だったのでこれって厄介なんだよなあと少し困っていたんですがふと、お湯を注いだ後に蓋の上にスープの袋を置いておけば3分後には脂分もすっかり溶けて注ぎやすくなるのではないかと思いついて試したところ実に上手くいったんです。やはり俺は天才だったのか!と喜んでいたのですが後でカップに書いてある作り方をよく見たらそのようにしろと書いてありまして、その時僕は自分の「独創性」とやらへの懐疑と先人たちへの敬意を強く感じたのでした。

 こういった話題を突き詰めればすっかり賞味期限を過ぎた例のエンブレムの問題についてかっこいい文章を書けそうな気がしてきましたが、今書きたいのはそういうことではなくこれから僕が書くこと、これまでに「忘れないうちに、画材の話でも」のタイトルで書いてきたことが既に皆様にとっておなじみだったら許してねという、誠にかっこ悪い言い訳であります。

 

、いうわけで今回は原稿用紙についてのお話です。アナログな手法で漫画を描く上で今では枠線のガイドが印刷された原稿用紙は必要不可欠なものになっています。あらかじめ枠線のガイドを作っておいてそれを無地のケント紙に当てて千枚通しで穴を開けるなんていうのも今では忘れ去られた手法なんでしょうね。紙といえば手塚治虫先生は模造紙などもよく使われていたという話ですがそういう人って他に聞いたことがないですね。どんな描き味なんでしょうか。一度試してみたい気もします。

 僕は漫画の原稿用紙はアイシーのB4サイズ110㎏を主に使用しています。念の為に説明しておきますと110㎏というのは紙の厚さを表すものでして、紙の厚さは原紙1000枚の重量で表わされます。つまり数字が大きいほど厚い紙ということになります。

 

アイシー マンガ原稿用紙 B4 薄110kg IM-10B

アイシー マンガ原稿用紙 B4 薄110kg IM-10B

 

 

 昔は面白がって様々なメーカーのものを購入してひとつの作品の中で1ページ毎に違うメーカーの紙を使ったりして遊んでいましたが、入手のしやすさ、丸ペンのような先端の鋭いペン先でも線がにじまない品質の良さなどから最終的にアイシーに落ち着きました。またメーカーごとに枠線のガイドの位置が微妙に異なっており、パソコンで作業するようになるとこれが統一されていた方がソフト上でのガイドの調整の手間が省けるという事情もありまして銘柄を一つに絞る必要に迫られたのでした。

 紙の厚さも完全にアナログで作業していた頃は完成時の見た目の高級感にこだわって135㎏のものを使っていましたがパソコンを使うようになって紙の作業が一工程になってしまうとより安価で近所の文房具屋でも手に入る110㎏で描くようになりました。実際に使ってみると描き味は全く遜色がありませんし、トレース台を使うにあたっても薄い分下描きの透け具合がいいような気がします。

 こういった原稿用紙ですが、大手の出版社だと雑誌の名前が印刷された独自の用紙を作家に支給(?)している所もあるみたいですね。そういうのも何だか憧れますね。

 

業の手順からすると順序が逆になってしまうのですが、ここからは下描きに使う紙の話になります。なぜこういう順序で書くかというとここに僕の(カップラーメンの作り方レベルの)独創があるからです。

 トレース台を使っておられる人は下描きにはどういった紙を使っているのでしょうか。やはり500枚単位で売られているコピー用紙など使われる方が多いのでしょうか。僕はここにちょっとだけ贅沢をさせて頂いております。

 

  50枚でコピー用紙500枚と同じくらいの値段がしますのでちょっとどころではない贅沢ですね。そう思ってみるとちょっと考えてしまいますが、でもまあそれだけの価値はあると思います。

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 この5㎜の方眼が枠線のガイドとして、また絵を描く時のガイドとしても実に有効に機能してくれます。また方眼が書かれている範囲が漫画の原稿で印刷に出る最大範囲、いわゆる断ち切りとほぼ一致しておりまして、漫画用に作られたのではなかろうかと思ってしまう仕様になっております。

 

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 四隅から横20ミリ、縦25ミリの所に点を打って線で結べば180ミリ×270ミリの枠線の定格サイズになります。

 

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 この紙に下描きしてアイシーの110㎏の原稿用紙を重ねた時のトレース台での透け具合はこんなものです。この絵を描くにあたっても所々に方眼が役に立ってくれました。

 

たして僕はいくらかは皆さんの参考になるようなアイディアをここに書くことができているのか、それともカップラーメンの蓋に液体スープの袋を乗せておくレベルの情報をドヤ顔で書き込んだに過ぎないのか不安ではありますがいかがなものでしょう。

 アマゾンの方にこのPPC用原稿用紙が漫画の下描きに使えるという、2年ほど前に書かれたレビューが載っていますがさほど反響があった様子もないので(いちおう匿名なのでこのレビュアーが誰なのかという点についてはぼやかしておきましょう)、まあ少なくとも「ほぼオリジナルと言っていいが今のところさほど世間のニーズを捉えた発想でもない」といった所に落ち着くでしょうか。この手の原稿用紙としては比較的お高い部類に入るのでそういう問題もあるのかもしれませんが、機会があれば一度お試し頂きたいと思います。

 画材についてはそろそろネタ切れでしょうか。早くも書きたいことが次から次へと湧き出してくるという状態を脱してしまったようなので今のうちに考えておかないと、といった所で今回はここまで。